コロナの影響で学生の新卒就活はどう変化する?

新型コロナウイルスは日本国内においても、経済活動などへの多大な影響を及ぼしており、就職活動も例外ではありません。今回は新型コロナウイルス蔓延の影響により21卒および22卒の学生の就職活動にどのような影響を及ぼすのかについて解説します。

新型コロナの影響で就活生が困ることは?

新型コロナの影響によりおこる就活の変化について下記の通りまとめました。

【就活とコロナ関連の諸問題】
1. 合同企業説明会・各社の個別企業説明会の中止、延期
2. 説明会や選考をオンライン化
3. 大学のキャリアセンターのパフォーマンス低下
4. OB・OG訪問や内定者フォローの停滞
5. 企業側の採用人数、時期など採用計画の見直し

就職情報会社が主催の合同企業説明会の中止

2021年卒業予定の就活生を対象に、2020年3月からマイナビやリクナビが主催の大規模イベントが連日予定されていましたが、リクルートは「4月末までの合同企業説明会をすべて中止」とし、マイナビも「4月中に予定されていた合同企業説明会の中止・延期を決定」と発表しました。

合同説明会、つまりは就職活動の導入部分となる一番初めの情報収集の場が延期されることで、それ以降の企業の個別の採用試験の動きにも影響が出てくるというわけです。

今後のコロナウイルス感染拡大状況にもよりますが、現段階で新卒学生向け合同企業説明会・イベントの中止を決定しており、合同説明会や就活関連のイベントがオンライン化するという対応もなされているようです。

この点について、就職活動を経験した私の意見としては、合同説明会の参加については、いきたい企業がある程度絞れている人にとっては必要のない工程のため、むしろラッキーと思っていいのではないかと思います。

各社の個別企業説明会の中止やオンライン化

新型コロナウイルスの影響を受け、社会は外出自粛、企業ではリモートワークや時差出勤が必要となっています。これに関連し、就職活動の選考活動においても説明会や面接、インターンシップを中止・延期を決定する企業が多く出ています。

このまま企業説明会やインターンシップの中止・規模縮小といった流れが続けば、就活生の就職活動状況は厳しくなり、その対策として、オンライン面接やオンライン説明会を実施する企業が増えている状況です。

しかし、この点においてはマイナスの要因だけではありません。個別企業の「説明会」は説明会と銘打って入るものの、実際には選考の一部に組み込んでいる企業が少なくありません。正直、希望の度合いが低い企業の説明会へわざわざ足を運ぶのはかなりおっくうになりますが、その点がオンライン化されるということは、無駄な交通費や時間をかけずに済むことにもなります。

採用人数、時期など採用計画そのものの見直し

多くの企業が新型コロナウイルスの影響を考慮し、企業説明会や面接の中止・延期を発表しています。

企業側も、今後の選考プロセスにおいて、再検討を行っているのが現状です。一部企業においてはオンライン説明会の実施を決定していますが、そうした環境を整えられない企業も少なくなく、企業側も対応に明け暮れているのが現状です。

面接については、一次面接等、早い段階の選考プロセスについてはWEB面接で実施し、最終面接等の選考は対面での面接とするよう準備している企業が多いようです。

筆記選考については以前からテストセンターやオンラインで実施している企業も多いですが、グループディスカッションなど複数の学生を集めた選考プロセスは中止となる可能性が高いでしょう。

内定率は変化するか?

コロナウイルスの蔓延によって、中国工場の操業停止によるサプライチェーン停滞や訪日観光客激減、大規模イベントの中止といった影響が出ており、新型コロナが企業業績や国内景気に悪化を及ぼしていることに間違いはありません。

さらに、2019年10~12月期の国内総生産(GDP)は、実質前期比1.8%減、年率換算では7.1%減とコロナウイルスの影響以前から、厳しい状況であったのです。それに加え、この新型コロナ騒動が重なったことで近年、好調だった学生の就職環境が、変化せざるを得ない状況であることは否定できません。

 

就活生はどう動くべきか?

今回の就職活動では、「企業とのリアル接点が減る」ことはほぼ確定的です。これはすなわち、「企業研究の難易度が上がる」ことに直結します。なぜなら、実際に各社の社員と会って話を聞くことで得られる情報は、WEB記事や書籍などから得られない情報も少なくないからです。「人柄や社風といった言語化が難しい情報」や「対面でなければ話しにくい情報」があるということを前提に、今できる情報収集・会社研究に取り組んでください。

詳しくは別の記事で説明していますので、興味のある方は参考にしてください。

【余談のお話】自身の就活経験談

余談ですが、私は学部時代、大学院進学を希望していたため就職活動はまじめにしておりませんでした。

その時は二年後のためと思い、一度、合同説明会に参加はしたのですが、生産性の悪さに2社回って速攻で帰りました。

なぜ、生産性が悪いのかというと「ネットの方が速く、効率よく情報収集できる」と感じたためです。そのため、本格的に就職活動をした大学院生の時には一度も合同説明会には参加しませんでしたが、採用途中でお断りした企業を除き、さいごまで受けた会社は全て内定をいただけました。(職種も業種もばらばらで、上場企業です)

合同説明会については企業の個別説明会とは違って、選考の一部ではありません。たしかに、参加した企業ブースには自分の名前や大学名など明記したものの提出が求められているので、出席カードのように思い、行って提出した方が良いのでは?と、心配になる学生もいるでしょう。

しかし、基本的にその紙には何の意味もないため、気にしなくて大丈夫です。今回に限っては、合同説明会の開催自体が中止となっているため、そうしたところに気を煩わせる必要がないことはメリットととらえても良いのではないでしょうか。

説明会がない分、各企業のホームページや本などで、しっかりと企業分析をしたり、選考手順を都度確認しておくことが大切だと思います。